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小さな国の中で生きる

先日、隣の任地の隊員や学校の先生達といっしょにバスで移動していたときのこと。

日本人同士でよくしゃべっていたため、マーシャル人のとある先生が「君達は、日本で同じ小学校に通っていたのか?(日本にいる時から友だちだったのか?というニュアンスだと思う)」と聞いてきた。
もちろん違うので、違うと言うと、「じゃあ隣りの学校だったの?」とか、「隣りの町?」とか、「大学はいっしょだよね?」とか。

また、その先生は留学生の引率で一度日本に行ったことがあるそうなのだが、
東京で行ったお店のことが非常に印象に残っているようで、「あの店知らないか」と、いろんな特徴を挙げながら尋ねてくる。(何階建て~とか、何色~とか。)
東京には何度かしか行ったことないし、東京も広いし、東京にはそんなビル無数にある。分からないと言うのだが、日本人なのに日本のこと知らないのかと言ってくる。

この2件についてしばらく話して、そうか!と思った。

マーシャルは、環礁はたくさんあるが、180平方キロメートルしかない。全体で霞ヶ浦(茨城の湖)くらいらしい。
また、その環礁1つ1つも本当に小さくて、わたしが住んでいる、一番大きいマジュロ環礁(首都)ですら、陸地面積9.7平方キロメートル。細長いため、端から端まで車で2時間程度。
大学は国に2つしかないし(短大とフィジーの大学のマーシャルキャンパスのみ)、マジュロの話をすると、小学校だって公立は8校しかない。高校は端と端の2校。よく考えると、日本の市単位より小さい規模で存在している。

ビルだって数えるくらいしかないし(エレベーターがあるビルは首都に1つのみ、米軍基地内は知らない。)、マーシャル人なら誰でも、環礁内のほとんどの場所を知っている。ちょっと特徴を述べれば、どこの話をしているのかすぐに分かってもらえる。

この国の中で、何十年も生きていたら、確かに上のような質問をするのも納得できる。
生まれ育った環境が、人間の考え方や価値観に大きく影響することを垣間見た気のする日常の一コマでした。

小さな国の中で生きる_f0299739_1151248.jpg

※この絵、子どもが描いたのだが、海面が異常に高い。これも、標高3メートルのマーシャルならではかな~。
by cpts-romi | 2014-07-13 15:01 | 暮らし
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